大型旋盤加工について解説!低コストで調達する方法とは!
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大型旋盤加工について解説!?調達のコツについてもアドバイス!
製造業において、大型部品の精密加工は重要な技術課題のひとつです。本記事では、大型旋盤加工の基本から、使用される機械の種類、それぞれのメリット、そして実現可能な加工精度まで、包括的に解説します。
大型旋盤加工とは

大型旋盤加工とは、一般的に直径φ300mm以上のワークに対する旋盤加工を指します。旋盤加工を行う機械には、汎用旋盤、自動旋盤、NC旋盤、立旋盤など様々な種類がありますが、特に大型部品(φ500mm以上)の加工には立旋盤が採用されることが多くなります。
「大型旋盤」という言葉の定義は、日常的に扱うワークのサイズによって人それぞれ異なりますが、目安として「両手で持てないサイズ」と考えると分かりやすいでしょう。
ターニング加工と立旋盤加工

※引用元:”Neoα-16EX”, ターニングセンタ(X・Z・C)- 株式会社オーエム製作所様
大型旋盤加工に関連する用語として、「ターニング加工」や「立旋盤加工」があります。これらは、ろくろのような垂直回転テーブルにワークを設置し、回転するワークに刃物を当てることで旋削を行う加工方法・機械を指します。広義には旋盤加工全般を指す場合もありますが、業界では主に大型旋盤加工を意味することが多い用語です。
大型旋盤加工で使用される機械の種類
立旋盤(ターニング)
通常の旋盤加工では横型旋盤が使用されますが、大型旋盤加工では非常に重量のあるワークを扱うため、横旋盤での固定が困難になるケースがあります。そこで活躍するのが立旋盤です。
立旋盤は、ろくろのような垂直方向の回転軸を持つ回転テーブルにワークをセットし、旋削加工を行います。ワークの自重を利用して固定できるため、大型・重量物の加工に適しています。
横旋盤(正面旋盤)
大型旋盤加工では立旋盤が主流ですが、ワークの形状や加工内容によっては横旋盤が選択されることもあります。立旋盤と比較してワークの安定性は劣るため、超大型製品や高さのある製品には不向きですが、切粉の排出性が良好で、長時間の自動運転が可能というメリットがあります。
立旋盤(ターニング)のメリット
高精度な加工の実現
立旋盤では、ワークの自重を利用して回転テーブルに固定できます。これにより、大型ワークを安定して回転させながら旋削加工することが可能です。横旋盤と比較して重力や遠心力による振れが少なくなるため、加工精度の向上につながります。
チャッキングの容易性
一般的な横型旋盤では、ワークを三爪チャックなどで締め付けて固定する必要があります。一方、立旋盤の場合は面板への固定が横旋盤よりも容易になるため、高精度が求められる薄肉リング形状の製品などの加工に対応しやすくなります。
ただし、大径かつ長尺のワークは高さに制限があるため、立旋盤では対応できない場合があります。このようなケースでは横旋盤で加工を行いますが、自重によるワークのたわみを考慮し、加工条件の最適化が必要となります。
横旋盤(正面旋盤)のメリット
加工時間の短縮とコスト削減
立旋盤は大径ワークを高精度に加工できる反面、機械の特性上、加工段取りに手間がかかるという側面があります。これに対し、横旋盤は立旋盤と比較して加工前の段取りが容易なため、トータルの加工時間を短縮できます。結果として、加工コストの削減を実現することが可能です。
横旋盤で加工される大型旋盤加工品としては、シャフト形状からディスク形状の製品まで幅広く対応できます。ただし、横旋盤の場合もワークの大きさには制限があるため、どちらの加工機を選択するかは製品仕様を十分に検討した上で判断する必要があります。
大型旋盤加工で実現できる精度

大型旋盤加工品は、小型の旋盤加工品と比較すると、要求される寸法精度や幾何公差が緩やかになる傾向があります。しかし、用途によっては0.01mm単位の高精度加工が求められるケースも存在します。
精度に影響する主な要因
大型旋盤加工品の精度に大きく影響するポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- サイズ – ワークの外径・内径の大きさ
- 薄さ – ワークの肉厚
- 材質(熱処理) – 使用する材料と熱処理の有無
これらの要因が相互に関連し、達成可能な精度が決まってきます。

精度の目安
旋盤加工品は、大型であっても厚みがあるワークの場合は比較的高い精度を出すことが可能です。しかし、薄肉リング形状になると、精度を確保することが難しくなります。
例えば、φ500mm・片肉t25mmのワークの場合:
- 標準的な旋盤加工:寸法公差±0.05mm程度
- 高精度加工が可能な立旋盤:寸法公差±0.01mm程度
これが業界の相場となっています。コストを抑えながら大型旋盤加工品を製作する場合は、φ500mm程度であれば寸法公差を±0.05mmまでに設定することで、費用対効果の高い加工が実現できます。
当社の大型製缶加工品・製缶加工品のご紹介!

・立旋盤を使用した免震装置部品の切削加工
こちらは、土木、建設インフラ業界のお客様の免震装置部品向けに立形旋盤による切削加工を実施した事例です。SS400材料を使用し、加工対象部品のサイズはφ1600、厚さ70mmです。本事例のように、材料調達から加工までの一貫対応が可能です。ご検討の際は、お問合せください。

・自動車用フライホイール
自動車用フライホイールをSCM435材を使用し、耐久性と性能を確保するため旋盤とマシニングセンタ(MC)で精密加工を行ったものです。製品サイズはφ320、厚さ30mmで、厳しい品質基準に基づいた製造プロセスを経て、高い信頼性と性能を実現しています。自動車業界において、当社のフライホイールはその耐久性と精度で高く評価されています。本事例のように、深江特殊鋼では、旋盤加工だけでなく、切削加工などの追加対応も可能です。

・工作機械用の回転体部品
SS400材料を溶断後に、旋盤と縦型マシニングセンターにて切削・穴あけ加工を行ったものです。製品サイズはφ600mm、厚さ150mmです。深江特殊鋼では、複雑な加工対応も可能です。

・製缶と旋盤を組み合わせた飛散防止部品
こちらは、工作機械向けに各部品の製作・製缶後に熱処理(焼鈍)を施し、旋盤加工と縦マシニングにて形状加工を実施した事例です。SS400材料を使用し、加工対象部品のサイズはφ560、厚さ280mmです。本事例のように、材料調達から製缶・熱処理・加工までの一貫対応が可能です。ご検討の際は、お問合せください。
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