熱間鍛造と冷間鍛造の違いとは?
- 鍛造・鋳造
熱間鍛造と冷間鍛造の違いとは?
鍛造加工の一種である熱間鍛造と冷間鍛造。両者の違いと、それらに起因するメリット・デメリットについて、鍛造加工のプロフェッショナルであるメタナビが詳しく解説いたします。
鍛造とは?
鍛造(英語:Forging)とは、金属材料に圧力を加えて目的の形状に成型する塑性加工の一種です。現在は、ヘッダーやフォーマといった生産性の高い鍛造機械(圧造機)・プレス機を用いて加工を行うことが一般的ですが、昔は、職人がハンマーを使って熱した金属を叩くことで刀・盾などの武具や金物を製作していました。この叩く作業を「鍛える」といい、鍛えて造るというところから鍛造という呼称が一般的になりました。
前述の塑性加工というのは、金属がもつ塑性という特性を利用して成型を行う加工方法です。塑性とは、ある一定以上の圧力を加えて変形させ、ある一定以上になると元の形に戻らない(永久変形または塑性変形)という特性のことです。反対に、変形させても元に戻る性質のことを弾性と呼びます。
鍛造は、①熱間鍛造、②冷間鍛造、③温間鍛造という3つに分類することができます。次章では、この中から熱間鍛造と冷間鍛造に焦点をあてて詳しく説明します。
熱間鍛造とは?
熱間鍛造(英語:Hot Forging)とは、金属材料をおよそ900°C~1,200°Cの再結晶温度以上に加熱して成型を行う鍛造です。鉄材であれば1,100~1,200℃に、真鍮であれば700℃前後に熱してから加工します。
熱間鍛造には、
- ・金属材料の抵抗(変形抵抗)が小さい
- ・大型部品の鍛造が得意
というメリットがあります。
ただ一方で、熱影響による寸法変化が大きいため、後述する冷間鍛造に比べ精度・品質が劣ります。また、残留応力を除去するための焼鈍しも必要となるためその分コストがかかってしまいます。
冷間鍛造とは?
冷間鍛造(英語:Cold Forging)とは、常温の金属材料を鍛造機械でそのまま成型する加工方法になります。
冷間鍛造は、前述の熱間鍛造や、熱間鍛造と冷間鍛造の中間に位置する温間鍛造と比べワークの変形抵抗が大きいため、より大きな荷重・加工能力をもつ鍛造機械が必要で、且つ大物の加工には向いていません。そのため、ネジやボルト、ナットなど比較的な小さな部品の量産において冷間鍛造が活躍しています。
冷間鍛造のメリットは、以下の通りです。
- ・切削加工に比べ歩留まりが高い(熱間鍛造にも共通)
- ・素材が常温のため寸法変化が小さいため、比較的精度が高い
- ・ニアネットシェイプ、ネットシェイプによるコストダウンやリードタイム短縮が可能
近年の冷間鍛造におけるトレンドとして、切削から冷間鍛造への工法転換や二次加工の切削を廃止(切削レス)、難形状・異形状部品の成型を得意とする多段式鍛造機械の導入等があります。これらの背景には、客先からの原価低減要求や部品形状の複雑化があり、各企業が技術開発や設備投資を積極的に進めています。
熱間鍛造と冷間鍛造の違いとは?
したがって、熱間鍛造と冷間鍛造の違いを簡単にまとめると以下の通りになります。
- ・ワーク温度
- ・ワークの寸法変化
- ・得意とするワークサイズ
- ・ネットシェイプ、ニアネットシェイプの可否
鍛造品の加工依頼先をお探しの方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
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