ものづくりトピックス

ロストワックスとは

ロストワックスは、金属部品を精密に製造するための鋳造技術の一つです。この工法は、溶かした金属を型に流し込んで形成するため、複雑な形状の部品でも精密に作成できることが特徴です。ロウで形作ったモデルを鋳型に埋め込み、その後ロウを溶かして金属を流し込むプロセスから、ロストワックス（失われたロウ）という名前が付けられています。この技術は、特に複雑な部品の製造に適しており、航空宇宙、自動車、医療機器など、精密さが求められる分野で広く使用されています。

ロストワックスを検討する際の困り事

ロストワックスを導入する際、いくつかの課題に直面することがあります。まず、金型の製作コストです。初期投資が高いため、小ロット生産には向かない場合があります。また、製作時間がかかることも課題です。金型の製作や溶解プロセスに時間がかかり、他の工法に比べてリードタイムが長くなることがあります。さらに、使用する金属材料の選定も重要で、特定の材料でしか効果を発揮しない場合があるため、材料の適応性を考慮する必要があります。これらの課題を解決するためには、適切な設計と材料選定が欠かせません。

ロストワックスの特徴とメリット

ロストワックスには、いくつかの優れた特徴があります。まず、精密度が非常に高いことです。ロウで作成したモデルをそのまま鋳型にするため、複雑な形状でも高い再現性を持ち、製品の精度が向上します。また、薄肉の部品や形状が複雑な部品でも、一度の鋳造で作成可能です。このため、部品の一体化が可能となり、組み立てコストを削減できる場合があります。

さらに、ロストワックスは多様な金属材料に対応しており、鉄やアルミニウム、ステンレス鋼など、さまざまな金属で製品を作成することが可能です。この柔軟性により、さまざまな用途に対応できることもメリットの一つです。さらに、製造プロセスにおいて、部品表面が滑らかで高品質な仕上がりとなるため、追加の加工が不要な場合もあります。これにより、加工コストや時間の削減が可能となります。

どんな工法をロストワックスでコストダウンできるか

ロストワックスは、特に複雑な形状の部品を一度に成形する場合に、他の工法と比較してコストダウンが可能です。例えば、従来の機械加工では複雑な形状を削り出すために多くの時間と労力が必要となりますが、ロストワックスを使用すれば、鋳造プロセスでそのまま形状を再現できます。これにより、加工工程が削減され、材料の無駄も最小限に抑えられます。また、部品の統合が可能となるため、複数の部品を一体化してコスト削減を図ることができます。

特に、自動車部品や航空機部品など、精度が求められる産業においては、ロストワックスによる生産がコスト効率の高い選択肢となります。従来の工法では必要だった追加加工や組み立て工程が不要になる場合もあり、全体の製造コストの削減につながります。また、材料の歩留まり率が向上することで、無駄を減らし、総合的な生産効率を高めることができるのも大きな利点です。

ロストワックスを利用することで、特定の形状や精度が求められる製品に対して、他の工法に比べて競争力を持つ製造方法が提供されます。

ロストワックスでの工法変更によるコストダウン事例

１．切削加工からロストワックスへの変換

★POINT★

〇機能満たす最低限の加工範囲提案

〇意図的な徐肉形状提案によるコストダウン

2．切削加工からロストワックスへの変換

★POINT★

〇材料変更によるコストダウン（メッキ処理不要）

〇生産性考慮した徐肉形状提案でコストダウン

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