大型機械加工の種類
- 大型旋盤加工
- 大型機械加工
- 製缶機械加工
大型機械加工の加工種類
大型機械加工は、非常に大きな部品や材料を高精度で加工するための技術です。本コラムでは大型機械加工の種類について説明いたします。
当社が加工している実績も掲載しています。
1. 大型機械加工とは
大型機械加工は、非常に大きな部品や材料を高精度で加工するための技術です。このような加工は、産業機械や重工業において重要な役割を果たしており、部品の耐久性や品質を確保するために欠かせません。例えば、発電プラント、航空宇宙産業、造船、建設機械などで使用される部品は、数メートルに及ぶものが多く、これらを加工するためには、特別な大型機械が必要です。
大型機械加工は、一般的な機械加工と比較して、以下の点で異なります。
- サイズの制限:大型機械加工では、特に大きなワークピース(加工対象)を取り扱います。これには、数トンの重量を持つものや、直径数メートルに及ぶものが含まれます。
- 高精度:サイズが大きくなると、加工精度の維持が難しくなりますが、大型機械加工では、これを可能にするための技術や機械が必要です。
- 特別な機械:大型の旋盤やフライス盤、マシニングセンターなど、通常の機械加工では使用されない特別な設備が求められます。
これらの理由から、大型機械加工は非常に専門的な分野であり、経験豊富な技術者が求められるだけでなく、特定の産業でのニーズに応じた加工方法を選定することが重要です。
2. 大型機械加工の種類(旋盤加工とフライス加工)
大型機械加工には多くの加工方法がありますが、その中でも主要なものは「旋盤加工」と「フライス加工」です。
旋盤加工
旋盤加工は、回転するワークピースに工具を当てて削り出す加工方法です。この技術は主に円筒形状の部品を作る際に使用され、軸やパイプの製造に適しています。大型機械の構造部品やシャフトの製造などに広く使われています。旋盤加工の特徴は、回転するワークピースに対して一定の圧力をかけながら、切削工具で表面を整えることです。
フライス加工
一方、フライス加工は、固定されたワークピースに回転するカッターを使って加工を行います。フライス加工は、平面や溝、複雑な形状を作り出すのに適しており、大型部品の形状を自由に加工できます。特に、大型フライス加工は、構造物のフレームや金型など、大きな面積を必要とする部品に有効です。
3. 大型旋盤加工
大型旋盤加工は、特に重工業や建設業で重要な役割を果たします。この加工方法は、長さ数メートル、直径数メートルに及ぶ部品を回転させ、精密に加工することが可能です。大型旋盤は、通常の旋盤よりも大きなワークピースを扱うために設計されており、そのための特別な機械構造や制御システムが備わっています。
大型旋盤加工の主な利点は、非常に大きな部品でも高精度で加工できる点です。特に、回転対称の部品(シャフトやローラーなど)の加工において、その効果は顕著です。また、旋盤加工では、表面の仕上げが非常に滑らかで、後工程での追加の仕上げ作業が少なくて済むというメリットもあります。
4. 大型ターニング加工
大型ターニング加工は、旋盤加工の一種であり、特に大型部品の外周加工に適しています。ターニング加工は、通常の旋盤加工と似ていますが、より大型のワークピースを扱えるため、特に大きな直径を持つ部品の加工に使用されます。例えば、風力発電のタービンや、大型船舶のプロペラシャフトなどの製造において、ターニング加工は欠かせません。
ターニング加工の特徴として、ワークピースを回転させることで、円筒形状やテーパ状の部品を精密に仕上げることができます。これにより、大型の円筒形状を持つ部品でも、高い精度を持った加工が可能となります。
5. フライス加工+マシニング加工
フライス加工は、回転するカッターを使用してワークピースを削り出す方法であり、特に平面や溝、複雑な形状の部品を作るのに適しています。大型フライス加工では、非常に大きな部品を取り扱うことができ、例えば、重機のフレームや大型構造物の一部を加工する際に有効です。
マシニング加工は、NC(数値制御)によって工具の動きを制御することで、複雑な形状や高精度な加工を行うことができます。特に大型マシニングセンターは、フライス加工と同様に、平面加工や穴あけ加工など、多様な加工を一台で行えるため、効率的な生産が可能です。
大型フライス加工とマシニング加工の組み合わせは、大型部品に対して多彩な加工を施すことができるため、製品の形状や用途に応じた加工方法を柔軟に選択できます。
6. 鍛造 (①フリー鍛造 ②リング鍛造)
鍛造は、金属を加熱し、叩いて形状を変える加工方法です。特に大型部品の製造において、鍛造は重要な役割を果たします。鍛造は、金属の内部構造を強化し、製品の耐久性を向上させるために用いられます。
①フリー鍛造
フリー鍛造は、特定の型を使わずに、金属をハンマーで叩きながら自由な形に加工する方法です。大型のシャフトやフレームなど、規格外の大きさや形状を持つ部品の製造に適しています。この方法は、柔軟性が高く、個別のニーズに応じた製品を作り出すことが可能です。
②リング鍛造
リング鍛造は、加熱した金属を円形に成形する方法です。特に、大型のベアリングやギアリングの製造に適しており、耐久性が求められる部品に多く使用されます。リング鍛造は、金属の内部組織を強化し、耐久性と強度を高める効果があります。
7. 当社での大型機械加工
産業機械業界向け 大型アルミ丸棒のBTA加工
産業機械業界向けに、A5056の材料を使用した大型アルミ丸棒のBTA加工を行った事例です。今回の加工では、直径φ260mm、長さL3000mmのアルミ丸棒に対し、直径φ190mmの穴を貫通させる作業を実施しました。A5056は、優れた強度と耐腐食性を持つため、産業機械部品としてよく使われている製品です。BTA加工が必要な際はお問い合わせください。
産業機械向け 大型製缶フレーム
こちらは、産業機械業界向けに製作した大型製缶フレームの事例でございます。材料としては、SSを使用しており、溶接・フライス加工・マシニング加工の複数工程・複合加工によって製作いたしました。サイズは100×700×1500となっております。複数工程を当社が一貫して対応することにより、納期の短縮を実現した事例となってります。納期短縮をご要望の方がおられましたら、当社に一度ご相談下さい。
大型機械加工のことならメタナビにお任せください
メタナビを運営する深江特殊鋼株式会社は、鋼材商社として全国規模の協力企業ネットワークを構築しております。そのためお客様の様々なご要望にお答えすることができます。材料の手配から加工、研磨、表面処理までの部品製作の一括対応に加え、試作品・多品種小ロット生産から量産品は当社にお任せ下さい。
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