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アルミ合金の加工のポイント

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アルミ合金の加工のポイント

アルミ合金の種類と加工方法

こちらでは、アルミ合金についての特徴、種類、加工技術や加工のポイントをご紹介いたします。「メタナビ」では、アルミ合金の多数の加工事例をもっておりますので、本コラムと合わせて事例をご確認いただけますと幸いです。

アルミ合金の特徴と利点

アルミ合金とは

アルミ合金は、アルミニウムを主成分とし、他の金属元素を添加して作られる合金です。軽量でありながら強度が高く、耐食性に優れているため、航空宇宙、自動車、建築、電気電子機器など、さまざまな産業で広く使用されています。アルミ合金の中でも特に人気の高い種類には、アルミニウム・シリコン合金、アルミニウム・銅合金、アルミニウム・亜鉛合金などがあります。

アルミ合金の利点

  1. 軽量性: アルミニウムは鉄や鋼に比べて非常に軽量です。これにより、輸送コストの削減やエネルギー効率の向上が期待できます。
  2. 強度と耐久性: 一部のアルミ合金は非常に高い強度を持ち、構造材料として信頼性が高いです。
  3. 耐食性: アルミニウムは酸化アルミニウムの保護膜を形成し、腐食に強いため、長期間の使用に適しています。
  4. 加工性: アルミ合金は加工がしやすく、成形、切削、溶接など多様な加工方法に対応しています。

アルミ合金の種類と用途

アルミ合金の主な種類

  1. 1000系: 純アルミニウムで、柔らかく加工性に優れていますが、強度が低いため構造用途には向いていません。
  2. 2000系: アルミニウム・銅合金で、高強度を誇ります。航空機の構造材料として使用されることが多いです。
  3. 3000系: アルミニウム・マンガン合金で、耐食性が高く、飲料缶やクーラーのフィンなどに使用されます。
  4. 5000系: アルミニウム・マグネシウム合金で、海洋環境に強く、船舶や海洋構造物に適しています。
  5. 6000系: アルミニウム・マグネシウム・シリコン合金で、建築材や自動車部品に広く使用されています。
  6. 7000系: アルミニウム・亜鉛合金で、最高の強度を持ち、航空宇宙やスポーツ用品に使用されます。

用途別アルミ合金の選び方

アルミ合金の選定は、その用途に応じて適切に行う必要があります。例えば、高い強度と耐久性が求められる航空機の構造には7000系合金が適しています。一方、耐食性と加工性が重視される場合には、3000系や5000系の合金が好まれます。

アルミ合金の加工技術

切削加工

アルミ合金の切削加工は、非常に高速で行うことが可能であり、精密な仕上がりが求められる部品製造に適しています。切削加工では、工具の選定が非常に重要です。アルミ合金は比較的柔らかく、粘り気があるため、工具の摩耗を抑えるために硬質なコーティングが施されたカーバイド工具やダイヤモンドコーティング工具が推奨されます。また、切削速度が速いため、適切な冷却剤を使用することで工具の寿命を延ばし、加工精度を向上させることができます。

切削加工では、工具の刃先角度や切り込み量も重要な要素です。適切な刃先角度を選定することで、切削抵抗を減少させ、加工面の品質を向上させることができます。さらに、切り込み量を適切に設定することで、工具の寿命を延ばし、加工時間の短縮が図れます。

 

溶接

アルミ合金の溶接には、主にTIG(タングステンイナートガス)溶接とMIG(メタルイナートガス)溶接が使用されます。これらの溶接方法は、アルミ合金の特性に適しており、高品質な接合を実現します。しかし、アルミニウムは酸化膜を形成しやすいため、溶接前には酸化膜を除去する必要があります。酸化膜は溶接品質に悪影響を及ぼすため、化学的または機械的に除去することが推奨されます。

溶接時には、適切なフィラー材を選定することも重要です。フィラー材の選定により、接合部の強度や耐食性が大きく影響されます。また、アルミ合金の溶接では、熱伝導率が高いため、熱の管理が非常に重要です。事前加熱や溶接速度の調整を行うことで、熱変形を最小限に抑えることができます。

 

 

成形

アルミ合金の成形加工には、押出成形、鍛造、圧延などの方法があります。これらの加工方法は、それぞれ異なる特性を持ち、製品の形状や用途に応じて選択されます。

  • 押出成形: アルミ合金を高温で加熱し、ダイを通して押し出すことで、複雑な断面形状の部品を製造することができます。押出成形は、建築材や自動車部品など、長尺物の製造に適しています。
  • 鍛造: アルミ合金を高温で加熱し、ハンマーやプレスで形状を成形する方法です。鍛造は、高強度な部品の製造に適しており、航空機や自動車の重要部品に使用されます。
  • 圧延: アルミ合金をローラーで圧延することで、薄板や箔を製造する方法です。圧延加工は、包装材や電気電子機器の部品に使用されます。

成形加工では、適切な温度管理が重要です。特に、鍛造や押出成形では、材料の過熱を防ぐために冷却を適切に行う必要があります。また、成形後の熱処理により、材料の機械的特性を最適化することができます。

 

 

表面処理

アルミ合金の表面処理には、陽極酸化処理、塗装、電着塗装などがあります。これらの表面処理により、耐食性の向上や外観の美化が図られます。

  • 陽極酸化処理: 電気化学的にアルミニウムの表面に酸化アルミニウムの保護膜を形成する方法です。耐食性を大幅に向上させることができ、装飾用途にも適しています。
  • 塗装: 塗料を塗布して表面を保護する方法です。多様な色や仕上げが可能で、建築材や消費財に使用されます。
  • 電着塗装: 電気分解を利用して塗料を均一に塗布する方法です。自動車部品などの大量生産品に適しており、高い防食性能を持ちます。

表面処理を施すことで、アルミ合金製品の寿命を延ばし、美観を向上させることができます。適切な表面処理方法を選定することで、製品の用途や環境に応じた性能を確保することができます。

 

アルミ合金 加工時の注意点

切削時の注意点

アルミ合金の切削時には、適切な切削速度と工具の選定が重要です。また、切削液を適切に使用することで、工具の寿命を延ばし、仕上がり精度を向上させることができます。

溶接時の注意点

アルミ合金の溶接時には、酸化膜の除去や適切なフィラー材の選定が求められます。また、溶接熱による変形を防ぐために、事前加熱や適切な溶接条件の設定が重要です。

成形時の注意点

アルミ合金の成形加工時には、適切な温度管理が重要です。特に、鍛造や押出成形では、材料の過熱を防ぐために冷却を適切に行う必要があります。

アルミ合金の加工事例と成功のポイント

事例1: 精密切削加工したチップトレイ

半導体業界向けチップトレイ製作の事例です。
半導体チップを保持、搬送するために使用されるための製品になります。
半導体チップを半導体チップトレイに収容された状態で搬送することで、搬送時の振動によって半導体チップに欠けが生じる危険性を低減させ、
実装工程において半導体チップトレイから半導体チップを簡単に取り出すことができます。
半導体チップは繊細な製品ですので、搬送時およびピックアップ時におけるがたつきや破損のリスクをできる限り小さくする必要があり、
そのためには高い溝ピッチ精度が必要な場合もあります。
今回の製品では溝ピッチが±0.01を実現しております。

また、半導体チップのチップトレイは一般的には帯電防止の観点から樹脂製品が使用されますが、
樹脂では対応が困難な条件下では金属製のチップトレイも使用されます。
その場合ですと、金属、特にアルミニウムやSUS材を高精度に加工できなければなりません。

>>「チップトレイ」事例詳細はこちら

 

事例2:工作機械向けアルミ合金A5052のNC旋盤加工とマシニング加工

工作機械のお客様向けにNC旋盤加工とマシニング加工を実施して、センサー部品を製作した事例です。材料はアルミ合金A5052を使用してサイズは、50×50×250です。
メタナビを運営する深江特殊鋼では、複数加工で材料加工を行い、お客様要望の製品にして納品することができます。様々なアプリケーション向けに加工していますので、ご検討の際はお声掛けください。

>>>こちらの「アルミ合金A5052」に関する事例はこちら

 

非鉄金属・アルミ合金の加工なら「メタナビ」でお任せください。

メタナビを運営する深江特殊鋼では、300 社以上の加工パートナー企業様とネットワークを構築し、
全国 3,000 社を超えるお客様に機械加工製品の調達代行サービスを提供しております 。
社内設備だけでなく、パートナー様の設備を活かして、アルミ合金を始めとする非鉄金属材料の様々な加工方法に対応可能です。

また当社は材料の手配から加工、研磨、表面処理までの部品製作の一括対応に加え、
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